セレナーデ


初めて聴いたのは“銀河”だった
正しく言い直すなら初めて音楽に触れたのは“銀河のPV”だった
初めて生の声を聴いたのは05年8月20日RSRのEARTH STAGEだった
色んな要素があったけどRSRに行くことを最終的に決定づけたのはフジファブリックだった
一番の目的の氣志團と時間が詰まっていたけれど、どうしても聴きたいんだ!1人ででも!と私が息巻いていたら、6人でいた中で1人だけが「聴きたい」と言ってくれて、2人でよれよれになりながらSUNから足早に駆けつけたんだった
いつも足の遅い私が先を急ぐから、彼女が「速いよ」って苦笑いしていた
息巻いたかいあって、まだ始まってなくて、これから初めてRSRフジファブリックを聴けるんだ、ってことにワクワクしことを覚えている
ステージはほとんど見えなかったけど、大ちゃんの赤いTシャツだけが見えた
初めて聴いたフジファブリックは、心底楽しくてかっこよくて、ただただ「やっぱり好きだなぁ!頑張って来てよかったなぁ!」と思った




東京に戻って季節は秋になって新しいアルバム『FAB FOX』を手に入れて11月10日にAXで初めてワンマンを見た
それからずっとツアーのたびに東京近郊のライブには必ずと言っていいほど通った
LOFTから国技館からいつものZeppから横浜BLITZから時に学祭まで
最初、2人きりでワクワクしながら見ていたフジファブリック、新宿での5周年ライブを見た時には8人になってた
「もう5周年かぁ。でもまだ5周年?」なんて思いながらちょっとゆったりした気持ちで見ていた
09年10月23日の私にとっては初めての新宿厚生年金会館だった
志村はモジャ犬みたいな帽子をかぶってた




初めてRSRでライブを見て、AXでワンマンを見るまでの間に地元で、前から歩いて来る男子に「瞳が綺麗な子だなぁ・・」と目を奪われたら、志村だったことがあった
その時は実はその遭遇から100mも離れていないところで氣志團のある撮影をしていたところに遭遇をして、團長と言葉を交わして握手をしてもらって、その撮影まで垣間見させていただいて、とんでもなく浮き足だっていた
その浮き足だって周りも見えなくなってもおかしくない一連のできごとの2分後くらいなのに、瞳が綺麗な男子が前から歩いてくるのを見逃さなかった
まさかのミラクル続きに自信がもてないまま目で追っていたら、かぶっていたニット帽を取った瞬間さらさらヘアーが出現したので、間違いない!と思ったのでした
テンパりすぎて声はかけられなかった
どうやら当時はご近所さんだったらしく、牛丼屋に入るのを目撃したり、道ですれちがったり、小さな本屋でハードカバーの本を買っているのを見たりしていたけれど、声をかけたことは1度もなかった
彼の生活圏内と思われる場所場所だったし、当たり前だけれど普通に生活をして生きているんだなぁと、その一瞬を通りすがりに見れただけでいいと思える存在だった
06年12月25日の渋谷公会堂でのライブのときにお土産で入場者全員にピックをもらった
そのうちの4つにだけ、メンバーのひとりひとりのサインがサプライズで書かれていた
「えー!」ってなった会場に「いつでも道で会ったときに、(サインを)しますから」と志村が笑って言った
その言葉をうのみにして、それから財布にはピック、ポーチにはマッキーを忍ばせた
それ以来、ぱったりと志村には会わなくなった
引越しをしたんだ、と何かの雑誌で言っていた
環状七号線辺りからいなくなってしまったのか、としょんぼりしたけれどピックは持ち歩いたままだった
いつかの時のために
なんだかんだ縁や運があって、そのピックをもらった4人中、私を除いた3人はそのピックに加藤さんにサインをもらっている
私のピックにだけ、未だにサインはない
あのクリスマスのライブから、メンバーがひとつずつ自ら入れてくれたというビニールの袋に入ったまま、いつもの財布の中にいる




今朝目が覚めてすぐ
なにかを思い出そうとして
あ、志村。
と思った
ああ夢じゃなかったんだ、とかなにかを思ったわけではなく、ただ名前が出てきた
ああ、そうか、志村。
知った直後はしばらくどうしようもなくて言葉もでなくて
しばらくしたら
な、なんなの志村。
なんなの?
って
なにも街が1年で一番華やいでいる日になんで、志村。
いつだって、志村じゃなくったって、誰だって、ダメだけど、なんで志村?
実感が、わかない
わく時がくるのかも、わからない




あの声も音楽も、もう音源でしか聴くことができなくて
これから増えることはないんだって
彼からまた新しい音楽が生まれることはないんだって
まだ理解できないでいる




正直に言うとCHRONICLEは数えるほどしか聴いていなくて、ここのところは昔の曲ばかりを聴いていた
5周年ライブは昔の曲もたくさん演ってくれたから、やっぱり昔からの曲が好きだなぁと思ったりした
ああでもCHRONICLEをまたちゃんと聴いてみようかな、と思い始めていた
ほんの数日前に思ったことだ
それでも、やっぱりライブがあれば足を運んで、なんだかんだって言いながら、この4年、生活の中で当たり前にあった音楽だった
「当たり前」なんてことなんてないってわかってはいても、それでもやっぱり当たり前にあった音楽だった
志村の声が大好きです
そのカラダから内から生まれる音楽にドキドキしました
フジファブリックの音楽を聴くといろんな景色が見えた
フジファブリック”の音楽が大好きです
フジファブリックありがとう」って言ってしまうには、まだ早すぎるよ





いつまでもただのファンです












2009.10.23 @ 新宿 東京厚生年金会館
Set List



1. Sugar!!
2. NAGISAにて
3. Sunny Morning
4. TEENAGER
5. バウムクーヘン
6. 雨のマーチ
7. 打上げ花火
8. 地平線を越えて
9. ロマネ 
10. 若者のすべて
11. 新曲
12. DOKI DOKI
13. I want you
14. お月様のっぺらぼう
15. 桜並木、二つの傘
16. 環状七号線
17. 陽炎
18. 桜の季節



En1. Surfer King
En2. 銀河




En3. 虹